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地金はどうやって作られる?精製工程をご紹介します!

資産として人気のある地金ですが、その精製方法をみなさんはご存知ですか?
地金のような鉱物は、地球の奥深くで何千万年という年月をかけて鉱石として醸成されます。
そして産出された鉱石は、さまざまな工程を経て鉱物となります。
そこで今回は、普段なかなか知ることのできない地金精製の工程についてお話ししたいと思います。

地金の大元は鉱石

先ほどもお伝えした通り、地金などの鉱物は、すぐに鉱物として産出されるわけではありません。長い年月をかけて醸成されたのち、鉱石として産出されます。それを人間が採掘し、破砕して、それぞれの工場に運ばれ精製されていくことになります。

地金の精製工程

鉱石にはさまざまな成分が含まれています。いくつかの工程を経て、それぞれの金属が抽出されていきます。

1.銅の精錬と精製

地金は、銅の精製工程で鉱石から銅を取り出した後に、地金の精製工程を経てできあがります。

◆自溶炉
銅の精錬には銅精鉱(どうせいこう)という、銅と硫黄と鉄からできた原料が用いられます。さらに、銅精鉱の中の鉄分を分離・除去するには硅酸鉱を加えます。その際鉱石中の金や銀は、溶け合って精製された金属硫化物の混合体に吸収され、転炉工程へ移ります。これらの混合体は一般的にマットとよばれます。

◆転炉
マットに硅酸鉱と酸素を加え、鉄と硫黄を取り除き、粗めの銅にします。

◆精製炉
粗銅をさらに精製し、銅電解用の外部回路から電流が流れ込むアノード(陽極板)に仕上げます。このとき金・銀はこの中に含まれたままです。

◆銅電解
電気分解によりアノードは品位の高い電気銅となります。この工程で、金や銀、その他の金属は沈殿物として分解され、貴金属の精製工程に移ります。

2.貴金属の精製工程

◆浸出
沈殿物を塩素ガスで浸出処理します。この処理を経て、金を含む浸出液と銀を含む残留物に分離されます。

◆金の抽出
溶媒抽出法を用いて、浸出液から金を抽出します。
溶媒抽出法というのは、混合物を分離する際の方法の1つで、溶解度の差を利用して特定の物質を分離させる操作のことです。

◆精製
抽出された金をさらに精製し、金粉末をつくります。その後、金粉末を地金に加工し、地金が完成します。

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まとめ

以上が地金を精製する工程です。難しい単語がいくつか出てきましたが、鉱物から金以外の成分を取り除き、粉末から塊へと加工するのが主な流れです。
人類が登場して以来、金はその輝きから権威の象徴や財産として関わり合ってきました。興味を持たれた方は、その歴史や経緯もぜひたどってみてくださいね。

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