Special Contents by Ashiya Ginbasha

2021年春頃から全般的に強気相場だった貴金属市場ですが、6月に大きな調整局面を迎えました。
その原因となったのはアメリカFRBパウエル議長による金融緩和縮小（テーパリング）示唆によるもの。
コロナ禍で傷んだ経済活動に対して主要国中央銀行が猛烈な勢いで金融緩和を行い、貴金属相場にも大量の資金が流入していましたがサプライズ的な金融緩和縮小アナウンスを受けて市場は冷や水を浴びせられた格好に。

この公式通りにパウエル議長のサプライズ的な金融緩和縮小発言を嫌気し貴金属相場は急落。
金は1900ドル付近から一気に1750ドル近くまで急落する展開に。
銀・プラチナ・パラジウムも同様に大幅の下げ相場。

ただし戻りもはやく足元の金相場は7月上旬に1800ドル台を回復。

依然としてコロナウイルス（特に最近流行を始めているデルタ株）による経済下振れリスクや、人件費・原材料価格上昇による調達コストの高騰・燻るインフレリスク等は根強く、金融緩和縮小が示唆されていても実態経済・景況不安は現実的に解消されていない事を考えると、リスクヘッジとして貴金属はまだまだ買われる状況という事なのでしょう。

6月の急落後にバーゲンハンターならぬ、拾い買いのお問合せが多かった事も依然として市場の不安心理が拭えていない証。
2021年後半もまだまだ金は嵐の夜に輝くの状況は続くと予想します。